

この小ささで適用畳数28畳!? 分解洗いもできるサーキュレーターアイはマルチに活躍する万能選手
公開日:2024.05.16
最終更新日:2024.05.16
風を直接当てて暑さを和らげる家電といえば扇風機。それに対し、部屋全体の空気を動かし部屋ごと快適にするのがサーキュレーターです。サーキュレーターの定番商品にアイリスオーヤマの「サーキュレーターアイ」シリーズがありますが、今年はこのサーキュレーターアイシリーズに、適用畳数28畳というパワフルな新モデル「サーキュレーターアイ DC JET 15cm PCF-SDC15T-EC」(以下、PCF-SDC15T-EC)が登場。新製品で毎日の生活がどう便利になるのか、最新家電を日々使いこなす家電ライターが実際に使ってレビューします!
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家電ライター 倉本 春
白物家電やガジェットをはじめとしたモノ系情報を執筆する家電ライター。生活者の目線に立ったわかりやすいレビュー記事に定評がある。自宅には廊下に溢れるほど数多くの家電を常備。電気調理鍋、掃除機だけでもそれぞれ10台以上を所持している。
コンパクトなのに27m先まで送風するパワフルさ
扇風機とサーキュレーターはどちらも風を作り出す家電ですが、一番の違いは風の種類。身体に直接風を当てる扇風機は扇状に広がる優しい風を作り出すのに対し、サーキュレーターはビームのように狭く直線的な風を送風します。この直進性のある風にまわりの空気を巻き込むことで、広い範囲の空気を動かすのがサーキュレーターの特徴です。
ただし、部屋全体の空気を循環させるには、強い直進性が必要。このため、適用畳数が広い製品はどうしても本体サイズが大きく、重い製品になりがちでした。そこで、アイリスオーヤマはボール状の特徴的な形で渦状の風を作り出す「サーキュレーター アイ」シリーズを開発。これがコンパクトでも強い直進性のある風を作れるサーキュレーターとして人気の定番商品となりました。

今回レビューしたPCF-SDC15T-ECも羽根の直径が15cmとコンパクトなのに、適用床面積は28畳。筆者は普段から「使用する部屋より4割以上大きな適用畳数の製品を選ぶ」ことを推奨していますが、PCF-SDC15T-ECならリビングでも利用できる家庭も多いでしょう。A4コピー用紙とほぼ同じ本体サイズにもかかわらず、これはかなりのパワーです。

本体が小さいとパワー不足が心配になりますが、PCF-SDC15T-ECは約27m先まで風を届けられるというパワフルさも売り。一般的な一戸建てである我が家には27mもの広さがある場所はありませんが、廊下の一番奥から玄関まで約6mの距離ではしっかり風を感じます。
PCF-SDC15T-ECは10段階の風量調節ができ、弱い風量であるはずの「風量2」でも6m地点のトイレットペーパーがソヨソヨと風になびき、最大風量である「風量10」ではトイレットペーパーが勢いよく風に翻っていました。
パワフルではありますが、本体サイズが小さいだけに、本体重量も約1.3kgと軽め。本体背面には取っ手もあるので、持ち運びも簡単です。実際に本製品を使ってみると、この「手軽に持ち運びができる」というのが思った以上のメリットだと感じました。

我が家では普段PCF-SDC15T-ECを寝室に置いていますが、部屋干しをしたいときはササッとリビングに運んで衣類乾燥をサポート。エアコンのないキッチンで長時間作業をするときは、キッチンとリビングの間のカウンターに置き、リビングのエアコンの風をキッチンに送り込むといった用途に利用しています。

持ち運びにストレスがないので、1台で家中の不便に対応する上、本体サイズが幅約21×奥行約21×高さ約29.4cmとコンパクトなので、キッチンカウンターの上のような狭い場所にも安定して設置できる点も魅力的でした。
電気代高騰のいまだからこそサーキュレーターは必須!
前述したように、我が家ではPCF-SDC15T-ECを基本的に寝室で利用しています。その目的は快適性と電気代節約の両立のため。
家庭で電気代がかかる家電の第1位はエアコンなので、我が家はリビングには省エネエアコンを導入しています。一方、予算の関係で夫婦の寝室は普及価格帯のシンプルなエアコンを導入しました。このため、毎晩エアコンをつけっぱなしにしていると電気代がそれなりにかかります。
しかも、寝室の形状が四角くないためか、同じ部屋でもエアコンの寒暖差があり、夫婦の片側のベッドだけ寒くなるという問題もありました。そこで、冷房時はエアコンの真下にPCF-SDC15T-ECを置き、冷たい空気が部屋中に循環するように配置しました。

強い風を感じると目が覚めてしまうため、就寝時は弱めの「風量2」で動作。それでも部屋の冷気ムラはしっかりと解消。その上、部屋全体の空気が動いているからか「風が身体に当たっている」という感触はそこまでないのに、PCF-SDC15T-ECをつけていると設定温度を1℃ほどあげても暑く感じません。冷房は設定温度を1℃あげると約1割の節電になるともいわれているので、1年続けることでかなりの電気代節約になりそうです。
ちなみに、安い扇風機やサーキュレーターは羽根を回転させるモーターに昔ながらの「ACモーター」を使用していますが、PCF-SDC15T-ECは高性能な「DCモーター」を採用。このため、従来製品よりサーキュレーターを運転する電気代もお得です。

我が家で消費電力量を計測するワットモニターを使ってチェックしたところ、毎日「風量2」で9時間近く使用した1週間の消費電力は150Wほどでした。我が家の電気料金は1kWhあたり36.6円(2024年4月現在)なので、1ヶ月毎日使っても20円ほどにしかならない計算です。これぐらいなら、安心して使えるという家庭がほとんどではないでしょうか?
意外と珍しい上下自動首振り機能で室内干しにも便利
PCF-SDC15T-ECのコンパクトさやパワフルさはもちろん嬉しいのですが、じつは個人的に気に入っている機能が上下の首振り機能があること。扇風機やサーキュレーターは「左右の自動首振り機能」を搭載している製品は多いものの、上下の首振りは手動の製品のほうが多いのです。

PCF-SDC15T-ECは水平から上方向60°までしっかり首振りができるほか、0~25°、15~50°、35~60°、0~60°と細かく上下首振り角度を選ぶことができます。この機能があることで、とにかく便利だったのが部屋干しの補助です。

部屋干しするスペースに余裕がない場合、どうしてもサーキュレーターを衣類の真下近くに置く必要があります。こんな場合も、PCF-SDC15T-ECなら上下の首振り機能で洗濯物の下から上までしっかり風を当てられました。ちなみに、左右の首振りも60°、90°、120°から選べるため、洗濯物を左右に広く干した場合にも便利。部屋干しが増えるこれからの梅雨時期には、あると心強い機能です。

ちなみに、付属のリモコンを使えば、首振りをさせずに狙った場所に風を当てることも可能。「このシャツはすぐ乾かして着たい!」といった場合にもピンポイントに送風ができます。リモコン操作で調整できる風の向きは、左右が120°、上下は60°まで。実際に使ってみると、壁際に設置していれば部屋のほとんどの範囲に風を届けることができます。
我が家は昼間留守にするとリビングに熱がこもって蒸し暑くなりやすいのですが、帰宅後は窓の前にPCF-SDC15T-ECをセットし、自分に向かって外の涼しい風を送風するといった使い方をよくしています。これもリモコン一つで風の方向を細かく調整でき、さらに風をしっかり遠くまで届けられるPCF-SDC15T-ECならではの使い方でしょう。薄型でコンパクトなリモコンですが、本体の裏側に収納できるため、なくす心配もなさそうです。
我が家は昼間留守にするとリビングに熱がこもって蒸し暑くなりやすいのですが、帰宅後は窓の前にPCF-SDC15T-ECをセットし、自分に向かって外の涼しい風を送風するといった使い方をよくしています。これもリモコン一つで風の方向を細かく調整でき、さらに風をしっかり遠くまで届けられるPCF-SDC15T-ECならではの使い方でしょう。薄型でコンパクトなリモコンですが、本体の裏側に収納できるため、なくす心配もなさそうです。
分解できていつでもキレイ、細かな点まで使いやすい
扇風機やサーキュレーターは羽根などに意外とホコリが溜まりやすいのですが、本製品は工具なしで簡単に分解できるのも魅力。ドライバーで分解するタイプのサーキュレーターだと汚れに気が付いても、「ドライバーが手元にないから今度掃除しよう」となりがちですが、PCF-SDC15T-ECなら気が付いたときにすぐ掃除ができます。

サーキュレーターは部屋中に風を循環させる家電だけに、本体が汚れていたら部屋中にホコリや汚れをまき散らしかねません。掃除が簡単にできるというのは大きなメリットだと感じます。しかも「前面パネル」と「羽根」のみ分解できる扇風機やサーキュレーターが多いなか、本製品は「背面ガード」まで外せます。背面ガードは網状で意外と掃除が面倒なパーツだけに、これも個人的に嬉しかったポイントです。
ほしい機能をギュッと詰め込んだサーキュレーター

コンパクトで設置場所を選ばず持ち運びが簡単、なのに驚くほどパワフル!!DCモーターで電気代が安く、風量も10段階から細かく選択可能。さらに、豊富な首振り機能を搭載している上、手軽に分解掃除もできる……。
PCF-SDC15T-ECを実際に使ってみると、サーキュレーターにほしいと感じる機能をこれでもかと詰め込んだ製品だと感じました。
PCF-SDC15T-ECを実際に使ってみると、サーキュレーターにほしいと感じる機能をこれでもかと詰め込んだ製品だと感じました。
暑い時期だけ利用する扇風機と異なり、サーキュレーターは1年中常に利用する家電。電気代対策や梅雨時期の室内干しサポート、さらには夏の暑さ対策まで、これからの季節を快適かつ省エネに過ごすためにもサーキュレーターの導入を考えてみるのはいかがでしょうか。