介護業界では人手不足が深刻化しています。この課題を解消するためには、人材の確保や離職防止の仕組みづくり、人手に替わる手段の導入が必要です。
本記事では、特に先進技術による人手の代替手段について解説するとともに、アイリスオーヤマが提供するビジネスソリューションをご紹介します。
介護業界における喫緊の課題
「人手不足」の現状
団塊の世代が75歳以上になる「2025年問題」や、総人口の約3分の1が高齢者(65歳以上)になる「2035年問題」など、今後の日本では超高齢化社会となることが確実視されています。超高齢化に伴う労働人口の減少は大きな問題であり、特に介護業界において、人手不足は喫緊の課題です。
以下では、介護業界の人手不足に関する現状をご紹介します。
応募1件あたり約3件の求人…
人手不足はさらに深刻化
2022年5月に厚生労働省が発表した一般職業紹介状況(令和4年4月分)をみると、「介護サービスの職業」の求人倍率は3.30となっています。これは1人の求職者に対して、介護職の求人が3.30件もあるということです。この数字から、どの介護事業所も人手不足に陥っていることがわかります。
出典:
厚生労働省「一般職業紹介状況(令和4年4月分)について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25839.html
また、2021年7月に厚生労働省が公表した資料「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」によると、令和元年の介護職員の必要数は211万人だったのに対し、2025年度の必要数は243万人、2040年度は280万人となっています。このことから、介護人材の需要が増す一方、人手不足はより深刻化することが予想されます。
出典:
厚生労働省「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(2021年7月)
https://www.mhlw.go.jp/content/12004000/000804129.pdf
介護業界で人手不足が起こる原因
介護業界で深刻な人手不足が起きてしまっている原因として、主に以下の3つが挙げられます。
就職希望者が少ない
現在の介護業界は需要が拡大している売り手市場ですが、就職希望者が少なく、供給が間に合っていないのが実情です。
就職希望者が少ない大きな理由として、介護業界は「3K」(きつい、汚い、危険)のマイナスイメージがあることや、給料が低い、休暇が取りにくい、夜勤勤務があるなど雇用面での待遇が良くないことが挙げられます。就職希望者を増やすためには、こうしたネガティブなイメージを払拭することが不可欠です。
人材獲得競争が激しく、
採用が困難
2つ目の原因は、人材獲得競争が激しい点です。
令和2年に公益財団法人 介護労働安定センターが公表した「介護労働実態調査」によると、人手不足の理由として90%の事業所が「採用が困難」と答えています。また、そのうちの半数以上にあたる57.9%の事業所が、採用が困難な理由として「同業他社との人材獲得競争が厳しい」と答えています。
出典:
公益財団法人 介護労働安定センター
令和元年度「介護労働実態調査」の結果
http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/2020r02_chousa_kekka_0818.pdf
離職率が高い
3つ目の原因は、介護業界の離職率の高さです。
厚生労働省が公表している「介護労働の現状と介護雇用管理改善等計画について」によると、令和元年度の介護職員(施設等)の離職率は16.0%であり、産業計の15.6%と比較して高い数字となっています。要因として人間関係の悩みや、出産・育児などライフイベントに応じた制度が充実していないこと、施設方針の不一致、職員の精神的・体力的な負担の大きさなどが挙げられます。
出典:
厚生労働省
「介護労働の現状と介護雇用管理改善等計画について」
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000710388.pdf
介護業界の離職状況については、以下記事で詳しく解説しています。あわせてぜひご覧ください。
>> vol.1 離職率が低い介護施設には共通点があった!?働きやすい職場づくりを実現するためには
介護の仕事は人手が必要不可欠であることから、人手不足の課題を解決するためには採用を増やすことや離職防止の手段を検討することが一般的ですが、頭打ちとなっている企業も少なくありません。
そこで、以下でご紹介するような、人手に替わる手段として先進技術の活用が注目されています。
人手不足の解消には先進技術の
活用が必須!気になる活用方法とは?
人手不足を解消するためには、人手の確保や離職を減らすための環境整備といった既存の常識から離れ、新常識に転換する必要があります。その新常識が「介護業務の先進技術活用」による業務効率化です。
以下では介護業務とその周辺業務に分けて、具体的な先進技術活用の方法をご紹介します。
介護業務の先進技術活用
介護業務
介護アシスト装置を活用する
介護者の体勢変更や歩行補助、食事介助、入浴介助、排泄介助などの生活を支援する介護業務に関してはアシストスーツといった装置の活用が重要です。
アシストスーツにより介護業務の身体的負担を減らすことで、介護施設全体の生産性を向上できます。また、職員の身体的負担を減らすことで介護業界のネガティブイメージを払拭でき、就職希望者の増加を期待できます。
介護業務以外
単純作業を人手から機械に置き換える
介護に直接かかわる業務以外の作業を、人手から機械に置き換えることも重要です。たとえば、利用者情報データの入力や管理、床掃除など、介護現場での単純作業を先進技術により自動化することで、介護職員の業務工数を減らせます。これにより、食事介助、入浴介助、排泄介助といった上述の介護業務や、利用者の満足度向上につながるサービスに注力できるようになります。
以上のような先進技術を活用する方法は、人材不足問題を解決するだけでなく、人件費削減や就職希望者の増加、働き方改革も促進し、介護業界のDX化に寄与します。
以下では、実際に介護施設の人手不足を解消するビジネスソリューションをご紹介します。
人手不足解消に寄与する
ビジネスソリューション
人手不足を解消するビジネスソリューションとして注目したいのが清掃の手間を削減する清掃ソリューションです。具体的な清掃ソリューションとして、アイリスオーヤマのWhiz i アイリスエディションが挙げられます。
アイリスオーヤマが提供するAIを搭載した自立走行型ロボットWhiz i アイリスエディションは、人手で行っていた清掃業務を自動化し、人手不足解消や人件費抑制を実現します。人による清掃に比べ、全体をムラなく清掃でき、除菌・ウイルスへの感染対策としても効果的です。
実際に、コロナ禍で発生した清掃スタッフの欠員をWhiz i アイリスエディションで補充し、月約10万円の人件費抑制を実現した介護施設もあります。
また、人手不足解消のためには職員の健康管理も重要であり、衛生環境を整えることが大切です。
アイリスオーヤマでは清掃ロボット以外にも、衛生環境を整えるソリューションとしてPlasmaGuard PRO™-アイリスエディション-を提供しています。空調ダクトに取り付けることで空間全体の菌やウイルスを除去してくれるため、人手を全く要さずに清潔な環境を実現できます。
人手不足を解消し、衛生的な環境づくりにも寄与するアイリスオーヤマのビジネスソリューションの詳細については、ぜひ以下をご覧ください。
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