インタビュー

全面LED化と調光の無線制御システム導入で、
コストを削減しながら快適性をアップ

西尾市民病院 様(愛知県)

2025.8.18

西尾市民病院

施設管理課 酒井 風翔 様

西尾市民病院 様

1948年の開設以来、地域に根差して市民の健康を守り続けてきた西尾市民病院様。病床数は321床(令和5年4月1日現在)。救急病院、災害拠点病院として、365日24時間、患者を受け入れています。西尾市民病院様は、2027年末に迫る蛍光灯の製造・輸出入禁止問題と昨今の電気代の高騰を受けて、2025年1月、院内照明の全面LED化に踏み切りました。また、一部に無線制御システム「LiCONEX LiTE」も導入。消費電力削減に伴う温室効果ガスの排出削減と、維持管理の負担軽減、コスト削減を実現しています。休みなく稼働し続ける医療施設での全面LED化、照明の無線制御システム導入についてお話を伺いました。

施設概要

西尾市民病院

1948年開設の西尾市民病院は、救急病院、災害拠点病院として地域に根差した医療活動を展開。一般市民向けの健康に関する市民講座や出前講座なども開催し、市民の健康を守り続けている。

西尾市民病院 様

全館LED化による電気代削減で、運用コストを削減

―導入前に抱えていた課題を教えてください。

酒井様

エネルギーコストが上昇して電気代が高くなり、コストを削減したいと考えていました。また、24時間365日稼働しているために蛍光灯の交換頻度が高く、コストも手間も負担になっていました。一般家庭で使用した場合、蛍光灯は2~4年で交換時期を迎えるそうですが、照明をつけっぱなしの病院ではほんの数か月で交換しなければなりません。それが全館となれば、大変なコストと労力になります。


―LEDの導入、活用を検討した経緯を教えてください。

酒井様

病院の運用コスト削減のために、節水コマの設置による水道代の削減はすでに行っており、電気代削減のためには照明をLED化したいという意図がありました。2027年末には蛍光灯の製造・輸出入が禁止されるということもあり、早いほうがよいだろうと、このタイミングで全面的なLED化を決めました。

西尾市民病院 様
西尾市民病院 様

無線調光制御システム「LiCONEX LiTE」の導入で、快適性が向上

エリアや時間ごとに明るさや色を調整できるようになり、院内の快適性が向上した。

―無線調光制御システムの導入を検討した理由をお聞かせください。

酒井様

これまで調光に関してはごく限定的なエリアでしかできなかったので、入札時には、併せて調光システムも導入したいという条件を付けました。


LiCONEX LiTEは、調光はきめ細かく、操作は手軽

―調光の設定で工夫した点を教えてください。

酒井様

病院内の照明は明るければいいというものではなく、暗さを求められる部屋もあります。例えば検査室や手術室は、明るすぎると反射をまぶしいと感じるため、医療スタッフから、ある程度暗くしておきたいと要望がありました。まぶしさの感じ方は人それぞれですし、手術の種類や、医師の好みによっても求められる明るさが変わります。医療スタッフの希望を丁寧にヒヤリングして、調光率を決めました。


―LiCONEX LiTEの、導入後の使い勝手はいかがですか。

酒井様

現場からの不満はまったくありません。調光に関しても、ボタンを押すだけという直感的な操作感でわかりやすく、誰でも簡単に操作できると好評です。ただ、調光の設定を変えたい場合にはアイリスオーヤマさんの担当者に依頼しなければならず、その点が少し不便ですね。この点についても、今後はアップデートされて自分たちで設定できるようになると聞いていますので、改善に期待しています。


調光の設定は、今後のバージョンアップに期待

―具体的に、どのような改善点を感じましたか。

酒井様

調光の設定を行う際には基本的に、設定する照明器具以外のすべての照明を消さなくてはならないそうですが、当病院は365日24時間稼働しているので、照明を消せるタイミングが限られています。そのため、各階の調光の設定に日数がかかりました。
最終的には、別の場所で設定を済ませた照明器具を持ち込んで付け替えるという対応をしていただきました。ただ、今後は照明を消さなくても設定できるように、バージョンアップされると聞きました。すごく良いと思います。今後に期待ですね。


―調光するエリアと調光率は、どのように選定しましたか。

酒井様

フロアごとに、どのエリアを調光対象とするのかを決めていきました。廊下や食堂、デイルームなど共用部分の基本的な設定は施設課が決めましたが、一部のエリアについては医療スタッフにもヒヤリングしました。アイリスオーヤマさんの担当者が、明るさ、光の色、時間帯などの要望についてきめ細かく話を聞いてくださったので、心強かったです。

西尾市民病院 様

リース契約によるコストの平準化が決め手

―リース入札を選んだ決め手を教えてください。

酒井様

従来の公共工事入札より、リース入札の方が導入コストを抑えることができたことですね。西尾市民病院は市の公共施設ですから、導入に当たって市の会計を平準化できることは大きなメリットです。導入のハードルが格段に下がりました。約4年で導入資金を回収でき、5年目には無償譲渡となって、その後は削減分のコストで導入資金を埋め合わせられるという、実質的に持ち出し金ゼロの仕組みがありがたかったです。リース期間中は保証がつくので、安心感もありました。

―導入にかかった期間や手間などについて、感想をお聞かせください。

酒井様

LEDの導入については、既存の設備を生かしたランプ交換のみの作業でしたので、病院全体でも約2か月で済みました。照明器具ごと交換となると、入院している患者様の病室移動が必要になるなどご迷惑をおかけしてしまいますが、そんな手間もかかりませんでしたのでスムーズに済んだ印象です。一方でLiCONEX LiTEは、工事が不要で手軽に導入できましたが、調光設定には改善点もあるなと感じました。

導入による効果

  • ① 前年12月~2月の同月比で平均12%の電気代削減につながり、コストを削減できた。
  • ② 明るさも色も自在に設定でき、院内の快適性が向上した。

―LED照明とLiCONEX LiTEの導入によって、どのような効果や変化がありましたか。

酒井様

明るさの設定は、蛍光灯と同じくらいの明るさになるよう初期照度設定70%にしているのですが、それでも病院で働く職員からは「明るくなったね」と声をかけられます。病室、手術室、食堂や会議室などのエリアごとに、かつ時間帯によってきめ細かく調光できるようになったことで、快適性も向上したと感じています。電気代については、前年12月~2月の同月比で平均12%の削減となり、導入によるコスト削減の効果を実感しています。まだ導入したばかりなので、ランプ交換の頻度についてはわかりませんが、蛍光灯に比べれば頻度が下がるでしょうから、今後に期待です。

西尾市民病院照明
■西尾市民病院 様
[所在地]
愛知県西尾市熊味町上泡原6番地
[主な納入器具]
LiCONEX対応LED照明(LED直管ランプ/LEDダウンライト/LED非常灯)

掲載内容、製品、サービスは、
下記までお問い合わせください。

022-253-7095
〈受付時間〉平日9:00〜17:00(夏季休業、年末年始期間を除く)

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