【ダニ対策】ダニが好む環境は?予防法や刺された時の対処法も

【ダニ対策】ダニが好む環境は?予防法や刺された時の対処法も

掃除をこまめにしていても、家に潜むダニ。目に見えないからこそ、予防や対策がきちんとできているのか不安に感じている方も多いかもしれません。ダニの生態について、ダニ博士であり昆虫学者の五箇 公一(ごか こういち)先生に話を伺いました。ダニの種類や発生しやすい場所を知り、対策や予防方法について詳しく見ていきましょう。

【ダニ対策】ダニが好む環境は?予防法や刺された時の対処法も

+1 Day 編集部

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家庭にいるダニの種類

床から見たカーペットのあるリビング
ダニの種類はさまざまですが、家の中に生息する主なダニは、チリダニ、コナダニ、ツメダニの3種類です。チリダニは、全体の約8割を占めるほど多く生息しています。人は刺しませんがアレルゲンを持っているので、フンや死骸を吸い込むとアレルギーの原因につながります。
次にコナダニは、保管されている小麦粉などの粉製品や乾物、和室の畳、台所に発生します。コナダニに毒性はなく、アレルギーなどの原因にもなりません。人を刺すことはありませんが、油断して放っておくとコナダニを好物とするツメダニを発生させる原因となります。
ツメダニは、虫をとらえて体液を吸う捕食性で、ダニや小昆虫を捕食します。基本的に吸血はしませんが、まれに人を刺すことも。ツメダニに刺されるとかゆみを感じたり、皮膚炎になったりするので、大量に発生すると人への被害が増えてしまうかもしれません。

ダニ対策が必要な理由

ソファーに座ってくしゃみをする子ども

繁殖すると健康被害をもたらす可能性がある

ダニが発生した後にそのままにしていると、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、結膜炎、アトピー性皮膚炎など健康被害が起こります。アレルギーの原因は7~8割がダニとも言われていて、生きたダニよりも死骸やフン、脱皮殻の方がアレルゲンになります。そのため健康被害を起こさないように、起きたとしても悪化しないようにするための対策が必要です。

ダニが好む場所や季節

クッションやブランケットなどがあるリビングのソファ
ダニの体長は0.3~1㎜程度でとても小さく、肉眼で見つけるのは困難です。ダニ対策をする前に、目に見えないダニが特に好む場所や環境を知っておきましょう。

ダニが発生しやすい季節

ダニについて説明する五箇先生
五箇先生によると、表皮ダニと呼ばれるチリダニ類は、特に梅雨から夏にかけて大量に発生しやすいそうです。ダニは湿度と温度が高い環境を好むため、梅雨から夏は特に注意が必要です。日本の住環境はダニが活動するにはちょうど良いため、ダニの発生や繁殖を防ぐ対策をしましょう。

ダニの発生しやすい環境・場所

ダニが好む環境や場所は、下記の通りです。
①湿度が高く暖かい場所(湿度80%以上、気温20~25度)
②エサが豊富な場所
特にダニが発生しやすいのは、布団などの寝具、カーペット、ソファ、畳など。人間の皮脂や垢、髪の毛、ホコリや食べ残しを餌としています。日本の住居は密閉性が高く、性能の高い暖房器具によって、季節に関わらず比較的湿度も高い状態が維持されています。さらに、餌も豊富なことから、日本では1年を通してダニ対策が必要です。

ダニ駆除の対策法

ベッドの枕を整える女性
ダニは目に見えませんが、人が生活する場所には必ずいると言われています。ダニが好む場所には対策を施すことが大切です。ダニに有効なアイテムを使用する際は、記載されている使用方法や注意点もチェックしてから使用してください。

寝具

ダニ対策に効果的な方法は主に3つあります。
①天日干し
五箇先生によると、天日干しはダニ対策に効果があります。ただし、ダニは繊維にしがみつくので、すべて駆除するのは難しいそう。また、天日干しは長時間干す必要があり、何度も裏返したり、叩いたりする必要もあります。日本は日照時間も短いため、天日干しだけで駆除するのは難しいとされています。
②布団乾燥機
布団乾燥機をかけると駆除しやすく効果的といわれています。五箇先生によると、ダニは高温で乾燥させると死滅できるそう。一般的にダニは、50度以上の熱を20分以上加えると死滅します。ダニは布団の奥深くで暮らしていることもありますが、布団乾燥機の高温熱風なら奥深くのダニにも届きます。
③布団クリーナー
布団乾燥機をかけた後は、布団クリーナーも使用するのがおすすめ。布団乾燥機をかけた後はしっかりとダニの死骸を掃除機で吸うことが大切です。新しく布団を買った時にもできるだけダニがつかない・増えないように、初めて使う時から布団クリーナーを使用したほうが良いでしょう。

ソファーやぬいぐるみなど

ソファーに座るぬいぐるみ
カバーが外せないソファーやクッション、ぬいぐるみなどの小物にはダニ駆除スプレー(殺虫剤)を使うのがおすすめです。スプレーをかけてしばらく置いた後、掃除機をかけて死骸やフンなどを吸い取ります。

駆除した後にダニを寄せ付けない予防策

ソファーにスプレーをかける女性
放っておくと発生・繁殖してしまうダニ。こまめな掃除や定期的な換気でダニを寄せ付けないように予防しましょう。

こまめに掃除をする

こまめに室内を掃除して清潔に保つと、ダニのエサになるものを減らせます。ダニを予防するには、繁殖させないことが重要です。布団や枕、ソファーなどのカバー類は定期的に洗濯し、洗えないものは丁寧に掃除機をかけましょう。掃除機をかけた後は、防ダニスプレーを使用するのもおすすめ。空気中に舞ってしまったダニの死骸やフンを除去できる空気清浄機を使用するのも効果的です。

定期的に換気をする

締め切った状態だと温度が上がりやすいため、こまめな換気をして温度を下げるようにします。特に6~9月の湿気が多い時期は注意が必要です。除湿機やエアコンを使用して、ダニが好む高温多湿にならないようにしましょう。

ダニに刺されてしまった時の対処法

ダニに刺された部分をかく人
掃除や換気などの対策をしていても、ダニに刺される可能性はゼロではありません。ダニに刺された時に、どんな対処をすれば良いか知っておくと安心です。ダニに刺された時の対策を見ていきましょう。

洗い流して薬を塗る

ダニに刺されたらまずは、患部をキレイに洗いましょう。かゆみを伴う場合が多いので、かゆみ止め(抗ヒスタミン)成分が入った塗り薬を使用します。もしも、ダニに刺された部分が痛みを伴う場合や、広範囲で症状がある場合には自己判断せずに医療機関を受診してください。市販の外用薬で治らず、症状が繰り返す場合も医療機関を受診するのがおすすめです。

定期的な対策をして快適な部屋で過ごそう

カーペットでくつろぐ親子
どんなに家の中をキレイにしていても、ダニを完全に駆除することは難しいと言われています。しかし、発生しても効果的な対策や予防法を知っていれば、少しでも抑えられるでしょう。特に、毎日使用する寝具のダニが気になる方は布団乾燥機を使用するなど、普段から気を付けて健康被害が起こらないようにしていきましょう。

生物多様性領域(生態リスク評価・対策研究室)室長/五箇 公一先生

京都大学大学院修士課程修了後、農薬会社に勤務。その後京都大学に戻り博士号を取得後、現在研究を行っている国立環境研究所に入所。生態学、遺伝学、ダニ学を専門とする。

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