

スタジアムやアリーナにも「アイデア」を! アイリスオーヤマのスポーツ施設事業
公開日:2024.07.26
最終更新日:2024.07.30
アイリスオーヤマといえば、家電や家具、食料品といったイメージを持つ方が多いと思いますが、今回フォーカスするのは「スポーツ施設」です。アイリスオーヤマでは、これまで培ってきたモノづくりの技術とアイデアを活かし、スポーツ施設事業を展開しています。プロチームのホームスタジアムをはじめ、全国でサッカー場や野球場、アリーナなどを手がけ、スポーツ選手やファンを陰で支えています。アイリスオーヤマのスポーツ施設事業には、どんな特徴や強みがあるのでしょうか?スポーツ施設事業を統括する田中和靖統括事業部長に聞きました。
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▼お話を聞いたのは…

BtoBメーカー本部空間ソリューション事業本部 統括事業部長 田中 和靖
1998年に入社し、商品開発部に配属。家具・収納関連の開発を15年経験後、2013年に収納・インテリア事業部で事業部長に就任。2017年にはBtoB関連の建装什器開発部に異動し、2024年からBtoBメーカー本部空間ソリューション事業本部で統括事業部長を務めている。
スポーツ施設の空間づくりをトータルコーディネート

エディオンピースウイング広島 様(広島県)
2024年2月10日。この日、プロサッカークラブ「サンフレッチェ広島」の新たなホームスタジアム「エディオンピースウイング広島」のこけら落としとなるプレシーズンマッチが開催されました。 Jリーグでは最多となる2万8500席の観客席数を誇る同施設。
この新スタジアムの観客席の開発を担ったのが、アイリスオーヤマです。
観客の座り心地や移動のしやすさなど、快適性と利便性を追求。座面の奥行きは既存品より30mm浅くし、前後の通路幅を広く確保しながらも、長時間座っていても疲れにくいようにシートの角度などを調整しました。
この新スタジアムの観客席の開発を担ったのが、アイリスオーヤマです。
観客の座り心地や移動のしやすさなど、快適性と利便性を追求。座面の奥行きは既存品より30mm浅くし、前後の通路幅を広く確保しながらも、長時間座っていても疲れにくいようにシートの角度などを調整しました。

エディオンピースウイング広島 様(広島県)
また、ビールなどの飲料カップを置くドリンクホルダーは、垂直に置いてもこぼれないよう、背もたれ部分を少しだけくり抜いた独自設計。さらに、最近のスタジアムのトレンドであるモザイクカラー(複数の異なる色をモザイク状に配色した座席)を採り入れるなど、要望やニーズに応じたオリジナルのスタジアムシートを実現しました。
「広島はスポーツファンが多い地域。施主様である広島県や広島市の担当者と何度も打ち合わせを重ねて、ベストの形状を追求しました」
アイリスオーヤマでは、これまで培ってきたLED照明やプラスチック成型、建装・内装などの技術とノウハウを活かし、ホテルやオフィスビルなど建築物の空間設計をトータルで提案する「空間ソリューション事業」を展開しています。その一環で、野球、サッカーなどのスタジアム、バスケットボールのアリーナをはじめとするスポーツ施設の空間づくりをトータルコーディネートするのが「スポーツ施設事業」。
プレーヤーにとっても観客にとっても快適にスポーツを楽しめる空間づくりをお手伝いしています 。
「広島はスポーツファンが多い地域。施主様である広島県や広島市の担当者と何度も打ち合わせを重ねて、ベストの形状を追求しました」
アイリスオーヤマでは、これまで培ってきたLED照明やプラスチック成型、建装・内装などの技術とノウハウを活かし、ホテルやオフィスビルなど建築物の空間設計をトータルで提案する「空間ソリューション事業」を展開しています。その一環で、野球、サッカーなどのスタジアム、バスケットボールのアリーナをはじめとするスポーツ施設の空間づくりをトータルコーディネートするのが「スポーツ施設事業」。
プレーヤーにとっても観客にとっても快適にスポーツを楽しめる空間づくりをお手伝いしています 。

TIPSTAR DOME CHIBA 様(千葉県)
「TIPSTAR DOME CHIBA」 は、千葉競輪場跡地に新設されたスポーツ体験施設。競輪だけでなくさまざまなスポーツエンターテイメントを楽しめるこの施設では、スポンサー名などを掲示するLEDビジョン、液晶モニター、約2000席の観客席を一手に担いました 。

ハワイアンズスタジアムいわき 様(福島県)
サッカーチーム「いわきFC」の本拠地として2023年にオープンした「ハワイアンズスタジアムいわき」 も、ピッチ上の人工芝、LED照明、スポーツビジョン、観覧席はすべて、アイリスオーヤマが施工を手がけています。
「メーカーベンダー」ならではの開発力とスピード

アイリスオーヤマがスポーツ施設事業に乗り出したのは、2019年。業界の中での歴史は新しいほうですが、それでも「エディオンピースウイング広島」をはじめ、プロスポーツチームなどの本拠地である大型スタジアム・アリーナ向けの製品開発・施工を担当。それには、アイリスオーヤマが長年培ってきた「強み」が関係しています。
通常のスポーツ施設の建設にあたっては、人工芝、観客席、LED照明、大型ビジョン、建物の内装、家具・什器などをそれぞれ個別の事業者に発注・依頼する必要があります。施主である地方自治体や運営会社にとっては、いくつもの相見積もりを行い、入札を実施しなければならないうえに、複数の工事を別々の会社が担うことで工期も長くなります。
ところが、アイリスオーヤマの場合は、ここに挙げたすべての製造・販売実績があり、すべてのオーダーに対応することができます。見積もりで数十社には声をかけなければいけないところ、アイリスオーヤマに依頼すればワンストップで「まるごと」解決できるのです。
「打ち合わせの段階で『あれもできます』『これも対応します』と話をすると、施主様から驚かれることも少なくないですね。もちろん、トータルでご依頼いただくことで、その分全体のコスト提案も可能です」
さらに、アイリスオーヤマの他社にはない強みは、製造と販売だけでなく、物流までをワンストップで担う「メーカーベンダー」であること。開発から納品までのプロセスを一気通貫で担うことで、お客様の細かい要望にカスタムメイドで対応できるほか、想定していた工期よりはるかにスピーディーな工期を実現。その分、人件費などのコストも圧縮することができます。
通常のスポーツ施設の建設にあたっては、人工芝、観客席、LED照明、大型ビジョン、建物の内装、家具・什器などをそれぞれ個別の事業者に発注・依頼する必要があります。施主である地方自治体や運営会社にとっては、いくつもの相見積もりを行い、入札を実施しなければならないうえに、複数の工事を別々の会社が担うことで工期も長くなります。
ところが、アイリスオーヤマの場合は、ここに挙げたすべての製造・販売実績があり、すべてのオーダーに対応することができます。見積もりで数十社には声をかけなければいけないところ、アイリスオーヤマに依頼すればワンストップで「まるごと」解決できるのです。
「打ち合わせの段階で『あれもできます』『これも対応します』と話をすると、施主様から驚かれることも少なくないですね。もちろん、トータルでご依頼いただくことで、その分全体のコスト提案も可能です」
さらに、アイリスオーヤマの他社にはない強みは、製造と販売だけでなく、物流までをワンストップで担う「メーカーベンダー」であること。開発から納品までのプロセスを一気通貫で担うことで、お客様の細かい要望にカスタムメイドで対応できるほか、想定していた工期よりはるかにスピーディーな工期を実現。その分、人件費などのコストも圧縮することができます。
「モノ」ではなく「ソリューション」を提供する

沖縄アリーナ 様(沖縄県)
田中は「アイリスオーヤマが提供する価値は、それだけではありません」と強調します。
「もちろん、バリューチェーンの最適化によってコストを低減することは施主様にとって重要な価値です。しかし、アイリスオーヤマのスポーツ施設事業の最大の強みは、『モノ』ではなく『ソリューション』をご提供している点にあります」
「もちろん、バリューチェーンの最適化によってコストを低減することは施主様にとって重要な価値です。しかし、アイリスオーヤマのスポーツ施設事業の最大の強みは、『モノ』ではなく『ソリューション』をご提供している点にあります」

限られたキャパシティでできるだけ多くの観客席を収容したい。ストレスなく観戦できる空間を実現したい。選手たちが快適にプレーできるグラウンドを実現したい――スポーツ施設を運営する地方自治体や運営会社は、さまざまな課題を抱えています。その課題をモノづくりの技術によって解決する「ソリューション」が、アイリスオーヤマだからこそ提供できる価値。冒頭で紹介した「エディオンピースウイング広島」のオーダーメイドの観客席は、まさにその一例です。
お客様の気づかなかったニーズを掘り起こし、解決策を提示する。結果として、全体のコストを抑えながらも、高付加価値の製品をご提供する。そこに、「ユーザーイン」の視点を活かしたアイリスオーヤマの空間ソリューション事業の強みがあるのです。
お客様の気づかなかったニーズを掘り起こし、解決策を提示する。結果として、全体のコストを抑えながらも、高付加価値の製品をご提供する。そこに、「ユーザーイン」の視点を活かしたアイリスオーヤマの空間ソリューション事業の強みがあるのです。
スポーツ施設の「多機能化」にも柔軟に対応

沖縄アリーナ 様(沖縄県)
近年ではスポーツの普及と発展、さらには社会の要請にともない、スポーツ施設にはさまざまな役割が期待されるようになっています。それとともに、アイリスオーヤマのもとにも新たなご要望や相談が寄せられています。
第一に、「エンターテイメント」としてのスポーツ施設の付加価値向上です。
来場する方々を楽しんでもらい、長時間滞在してもらうために、近年のスポーツ施設は飲食ブースやラウンジ、VIPルーム、キッズスペースなどの付加価値向上が求められています。
ここは、アイリスオーヤマの空間ソリューション事業が最も得意とするところ。お客様の声を聞きながら、魅力ある空間づくりのトータル提案が可能です。
第二に、「メディア」としてのスポーツ施設の付加価値向上です。
大画面で多くの観客にコンテンツを届ける大型ビジョンや、スポンサーロゴを表示するリボンビジョン、さまざまな告知を配信するデジタルサイネージなど、近年のスポーツ施設内ではさまざまなメディアを用いてコンテンツを配信し、プロモーション活動を行っています。
アイリスオーヤマのLEDビジョンシリーズ「LUCA」では、簡単に編集・管理が可能なコンテンツ配信管理システムを提供。予算や用途に合わせてさまざまなビジョンや管理方法の組み合わせを選ぶことができます。
第三に、スポーツ施設の「多機能化」への対応です。
スポーツ施設の運営にとって大きな課題は「稼働率」。Jリーグ、Bリーグなどのプロスポーツではホーム主催試合が限られているため、それ以外の日程を稼働させるため、他の競技会場やコンサート、演劇などのイベントにも対応できるための多機能性が求められています。
第一に、「エンターテイメント」としてのスポーツ施設の付加価値向上です。
来場する方々を楽しんでもらい、長時間滞在してもらうために、近年のスポーツ施設は飲食ブースやラウンジ、VIPルーム、キッズスペースなどの付加価値向上が求められています。
ここは、アイリスオーヤマの空間ソリューション事業が最も得意とするところ。お客様の声を聞きながら、魅力ある空間づくりのトータル提案が可能です。
第二に、「メディア」としてのスポーツ施設の付加価値向上です。
大画面で多くの観客にコンテンツを届ける大型ビジョンや、スポンサーロゴを表示するリボンビジョン、さまざまな告知を配信するデジタルサイネージなど、近年のスポーツ施設内ではさまざまなメディアを用いてコンテンツを配信し、プロモーション活動を行っています。
アイリスオーヤマのLEDビジョンシリーズ「LUCA」では、簡単に編集・管理が可能なコンテンツ配信管理システムを提供。予算や用途に合わせてさまざまなビジョンや管理方法の組み合わせを選ぶことができます。
第三に、スポーツ施設の「多機能化」への対応です。
スポーツ施設の運営にとって大きな課題は「稼働率」。Jリーグ、Bリーグなどのプロスポーツではホーム主催試合が限られているため、それ以外の日程を稼働させるため、他の競技会場やコンサート、演劇などのイベントにも対応できるための多機能性が求められています。

可動式観覧席
アイリスオーヤマでは、イベントなどの催しに合わせてさまざまなレイアウトに対応できる「可動式観覧席」「組立式スタジアムシート」「アルミ製仮設観覧席」などのオプションを用意。例えばバスケットボールのアリーナで卓球の大会を行うような場合でも、卓球台の近くまで観客席をフレキシブルに増設・配置することができます。
政府のスポーツ市場の拡大を目標に、施設の面で貢献する

鹿島アントラーズ つくばアカデミーセンター 様(茨城県)
さらに、スポーツの領域でも近年要請が高まっているのは、「サステナビリティ」への対応です。
例えば、サッカー場やラグビー場、テニスコートなどに敷かれる人工芝。実はクッション性を高め、選手の身体への負担を軽減するために、人工芝の下にはタイヤの廃材などを原料とするゴムチップが埋められています。ただし、地球環境への影響を考慮すると、なるべくゴムチップは使わないほうがいい。そこで、学校や幼稚園などの施設に対しては「ノンチップ」の人工芝をご提案するようにしています。
このような課題に対し、当社で何ができるか?を日々考えながら、ユーザーイン発想でのモノづくりの研究を行っています。「特に野球やサッカーなどにおいては競技人口のすそ野は広く、トップチームに納入された技術がその下のアマチュアチームの施設や、さらに一般のスポーツ施設へと普及していきます。
その意味でも、当社が最新のソリューションを提案・実現することで、あらゆるカテゴリーのスポーツ施設の課題解決や付加価値向上に貢献していきたいですね」
例えば、サッカー場やラグビー場、テニスコートなどに敷かれる人工芝。実はクッション性を高め、選手の身体への負担を軽減するために、人工芝の下にはタイヤの廃材などを原料とするゴムチップが埋められています。ただし、地球環境への影響を考慮すると、なるべくゴムチップは使わないほうがいい。そこで、学校や幼稚園などの施設に対しては「ノンチップ」の人工芝をご提案するようにしています。
このような課題に対し、当社で何ができるか?を日々考えながら、ユーザーイン発想でのモノづくりの研究を行っています。「特に野球やサッカーなどにおいては競技人口のすそ野は広く、トップチームに納入された技術がその下のアマチュアチームの施設や、さらに一般のスポーツ施設へと普及していきます。
その意味でも、当社が最新のソリューションを提案・実現することで、あらゆるカテゴリーのスポーツ施設の課題解決や付加価値向上に貢献していきたいですね」

最後に田中は、そのようにスポーツ施設事業の抱負を語ってくれました。
「第3期スポーツ基本計画」によると、政府は「スポーツ市場規模を5.5兆円(2021年)から2025年までに15兆円に拡大する」ことを目指しています。
運営主体、選手、そして観客とスポーツに携わるすべての人にとって快適で、楽しくて、また来たくなるスポーツ施設を実現することで、アイリスオーヤマは日本のスポーツ市場の拡大に貢献していきます。
「第3期スポーツ基本計画」によると、政府は「スポーツ市場規模を5.5兆円(2021年)から2025年までに15兆円に拡大する」ことを目指しています。
運営主体、選手、そして観客とスポーツに携わるすべての人にとって快適で、楽しくて、また来たくなるスポーツ施設を実現することで、アイリスオーヤマは日本のスポーツ市場の拡大に貢献していきます。