【家電のプロ×開発担当者】話題のキッチン家電「CHEF DRUM(シェフドラム)」のヒミツを探る!

【家電のプロ×開発担当者】話題のキッチン家電「CHEF DRUM(シェフドラム)」のヒミツを探る!

忙しい時でも材料を入れてボタンを押すだけで、本格的な料理が作れる自動調理器。昨今、共働き世帯を中心に、電気圧力鍋を始めとした自動調理器のニーズが高まっています。中でも、アイリスオーヤマの自動かくはん式調理機「CHEF DRUM」は煮る、蒸す以外に、揚げ物や炒め物まで自動で作ることができると注目を集めています。そんな最新キッチン家電を開発した担当者と、家電のプロが対談。商品の魅力と今後の展望について語ります。

【家電のプロ×開発担当者】話題のキッチン家電「CHEF DRUM(シェフドラム)」のヒミツを探る!

+1 Day 編集部

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自動かくはん式調理機「CHEF DRUM(シェフドラム)」とは?

青椒肉絲の材料が入っているシェフドラム
材料を投入したら自動で調理してくれる自動かくはん式調理機「CHEF DRUM(シェフドラム)」。本体が傾き回転することで、鍋振りやかき混ぜの動きを再現します。ボタン1つでムラなくかくはんしてくれるので、ほったらかしでも美味しい料理が作れます。炒め物、揚げ物、煮物といったさまざまな調理に対応していて、火加減が難しい野菜炒めもシャキッとした食感に仕上がります。

毎日の食卓を彩る自動メニューが充実しているのも魅力です。カレーや唐揚げなどの定番メニューから、飴色玉ねぎなどの下準備に役立つメニューまで、幅広く取り揃えています。

今回の座談会の参加者

家電ライター 栗山琢宏

家電ライター 栗山琢宏

家電からPC、デジタルまで様々なジャンルに精通し、雑誌、書籍、Webなど幅広いメディアで活躍する。
アイリスオーヤマ 小型家電事業部 炊飯事業部 兼 電子レンジ事業部 兼 小型調理家電事業部 事業部長 吉川将一

アイリスオーヤマ 小型家電事業部 炊飯事業部 兼 電子レンジ事業部 兼 小型調理家電事業部 事業部長 吉川将一

2010年に入社し、2023年から小型家電事業部 炊飯器事業部長を務めている。
アイリスオーヤマ 家電開発部 小型家電課 リーダー 榎本貴一

アイリスオーヤマ 家電開発部 小型家電課 リーダー 榎本貴一

2019年に入社し、白物家電の企画・開発を担当。その後2022年に異動し、炊飯器のチームリーダーを務めている。

キッチン家電のニーズの変化で生まれた「CHEF DRUM」

ー近年のキッチン家電について、どんなニーズや要望がありますか?

吉川:近年増加している、仕事と家事・育児の両立が求められる共働き世帯からは、特に「時短」ができるキッチン家電のご要望を多くいただきます。加えて当社がアンケートを実施したところ、時短だけではなく、作ってる間に他の家事ができたり、自分の好きなことを行える「ほったらかし家電」のようなニーズが増えています。

ー各社さまざまなキッチン家電がありますが、近年発売した商品の共通点や違いなどはありますか?

栗山:CHEF DRUMに近い自動調理家電の多くは、電気圧力鍋と呼ばれるもので、煮たり蒸したりという調理がメインです。今まで圧力鍋=火を使っていたものが、火加減を見る必要がなく、ほったらかしにできる電気圧力鍋は大変便利で、各社から販売されました。そういう意味でも、時短やほったらかしのニーズは増えていると思います。

ただ、食卓に並ぶ料理は揚げ物や炒めものも多いですよね。かき混ぜる機能を搭載している商品は、現状3種類ぐらいしかないんです。ですから、かき混ぜる機能がついているのは珍しいと想いました。CHEF DRUMは炒め物だけでなく、揚げ物ができるという点は他社にない強みですね。特に夏場は、自分で揚げ物を調理したくない方も多いと思います。

吉川:そうですよね。揚げ物はキッチンに付きっ切りになりますし、室内の温度も上がってしまいます。CHEF DRUMは、設定して材料を入れて待っていれば完成です。蓋をするので部屋の温度も上がりにくく、夏場の揚げ物にはぜひ使っていただきたいです。

ーこういったご時世の中、「CHEF DRUM」を作ったきっかけを教えてください。

シェフドラムの説明をする榎本氏

榎本:共働き世帯はもちろん、コロナ禍の「おうち時間を豊かにしたい」という想いで開発しました。当社ではたくさんのキッチン家電を販売していますが、「もっとさまざまなことができる商品はないのか?」と考えました。そこで目をつけたのが自動調理家電です。

栗山さんがおっしゃる通り、一般的な自動調理家電は、煮物は得意でも、炒め物や揚げ物は苦手とされています。どちらもできる商品を作ることで、自動調理家電の可能性を広げようと考えました。また、私自身も料理が好きなので、「こんなものがあったらいいな」と考え、開発しました。

「CHEF DRUM」のヒミツに迫る!開発担当者への一問一答

ーここからは家電のプロから開発担当者へ、気になることを聞いてみました!

シェフドラムで青椒肉絲を作っている様子

栗山:レシピを見ていると、回転付きのメニューは、傾きが1〜3と細かく分かれていますが、これはどういう違いで分けられているのでしょうか?

榎本:搭載するレシピを考えるにあたり、本体の傾きを変えながら検証していきました。
例えば「青椒肉絲」を作るのに、傾き1~3まで全て試してみて、具材のシャキシャキ感や、調味料との混ざり具合などを何度も検証しました。カレーの担当者は、2週間近く毎日カレーを食べ続けました(笑)。
シェフドラムのレシピブックを見る3人

栗山:なんと!それはとても大変そうですね。でもそういった努力の賜物が自動調理メニューに反映されているんですね。

榎本:はい。CHEF DRUMの良さを最大限に引き出して、おいしい料理を作りたい!という一心でした。また、同じ炒め物でも「麻婆豆腐」は、検証する中で傾き2のほうが豆腐が崩れにくくおいしく仕上がることがわかりました。そこで、料理が一番おいしくできる傾きはどこかと、全て自分たちで試して料理に合った最適な傾きを決めていきました。

栗山:CHEF DRUMへの愛を感じますね。もう1つ機能面で質問があるのですが、回転のスピードは変更できないですよね。これは何か意図があるのでしょうか?

榎本:当初、回転スピードも変えられるように開発を進めていました。しかし、回転スピードが変わることによって、調理の仕上がりに大きく差が出ないことがわかりました。ユーザーに選択肢を増やしすぎても使い勝手が悪くなると考え、その機能はカットしました。

栗山:なるほど。ちなみに、個人的に気になっているのはCHEF DRUMの大きさです。キッチンに置き場所を用意できるか、購入する際のポイントになるかと思います。でも、小さくしてしまうと容量が減るといった問題もありますよね。そのあたりはどうお考えですか?

榎本:おっしゃる通り、この大きさはユーザー目線で、実際の家庭で作る量を基準に十分に検討しました。大きさをコンパクトにしすぎて料理を作れる量があまりに少なくなってしまうと、本来のポテンシャルが生かせないと考えたんです。
インタビューに応える吉川氏

吉川:最初のターゲット層はファミリー向けと考えていたので、このサイズにしました。ゆくゆくは2人世帯向けや、逆に大家族向けのサイズ展開というのもありなんじゃないかと思っています。

栗山:なるほど。日本の住宅環境の中ではもっと小さいサイズが欲しいとか、逆にもっと大きいものが欲しいというケースもあると思います。
私個人として、この商品はシニア層に有益だと思っています。材料さえ入れればCHEF DRUMがやってくれるので、手間もかからないし料理のバリエーションも増えます。また高齢で火の始末を心配する家族も安心ですよね。

さまざまな住宅環境、さまざまな世代の方が選べるような品ぞろえが今後展開されたら嬉しいです。

メインメニューから下ごしらえまで自動で調理できる「CHEF DRUM」

ー90種類※の自動メニューがありますが、皆さんの推しレシピを教えてください。

シェフドラムで作った飴色玉ねぎ

榎本:CHEF DRUMで作ってほしいのは「炒め物」ですね。「青椒肉絲」や「回鍋肉」といった中華料理の自動調理メニューがイチオシです。先程料理が好きとお伝えしましたが、個人的によく使うレシピは「飴色玉ねぎ」です。「飴色玉ねぎ」は、フライパンで長時間炒めないと焦げてしまいますよね。CHEF DRUMなら長時間キッチンに立つ必要も、焦げる心配もありません。私はハンバーグやカレーを作る時に、別の下ごしらえをしながら「飴色玉ねぎ」を作っています。
シェフドラムで作った唐揚げ

吉川:私のイチオシは「唐揚げ」ですね。我が家は子どもが2人いて「唐揚げ」が大好物です。先日CHEF DRUMで「唐揚げ」を作って、お皿にてんこ盛りにして食べました。
また、私は単身赴任なので、普段は妻が仕事をしながら家事育児もしています。そんな状況なので、CHEF DRUMが発売された時にすぐに購入し、自宅に送りました。妻は、子どもの習い事の合間などのすきま時間に、自動でおかずができあがるのがとても便利だと言っています。

栗山:私も炒め物がおすすめです。水っぽくならなくて、シャキッとしているのがいいですよね。私は、息子にお弁当を作っているのですが、お弁当のおかず調理にも便利だなと思っています。例えば「きんぴらごぼう」をCHEF DRUMで作って、その間に卵焼きを作ったり…忙しい時こそ重宝します。
※型番によって自動メニュー数が異なります。KDAC-IA2-T:108種、 DAC-IA2-H:90種

便利なキッチン家電、今後の展望は?

シェフドラムを囲む3人

ー今後どのようなキッチン家電を開発したいと思いますか?

吉川:ユーザーが不満に感じているところを、当社の商品で解決していきたいと思っています。それがユーザーの暮らしを豊かにすることに繋がると思っています。

榎本:ユーザーが「この調理、家電使ってもう少し便利にできない?」という、お困りごとを解決していきたいですね。今まで市場にあるかないかではなく、「これがあったら便利」という視点を追求していきたいです。料理が好きなことを活かして「自分が買いたい」と思える商品を作りたいです。

ー今後「CHEF DRUM」をどう進化させていきたいですか?

榎本:今後はCHEF DRUMのレシピを増やしたり、充実させたりして、料理の幅を広げていけたらいいなと思っています。

吉川:さまざまなメーカーで、ユーザーが自発的に盛り上げている事例を見かけます。メーカーとユーザーが交流できる場があっても面白いですね。ユーザーの声を聞き、それに応えて商品作りをするというように、どんどん盛り上げていけたらと思います。

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