東京シティエアターミナルの歴史と未来の展望
50年後も愛される施設として「リスタート」
東京シティ・エアターミナル株式会社 様
2025.5.2
東京シティ・エアターミナル株式会社
代表取締役社長 内波 様
経営企画部長 高本 様
業務部 部長代理 営業担当 萩原 様
業務部 施設担当 今堀 様

東京シティエアターミナル誕生の背景
東京都心に位置する東京シティエアターミナル(以下T-CAT)は、成田空港開港と同時期に設立されました。約50年前の空港と都心を結ぶアクセスが未整備だった当時、バスを中心とした輸送手段が求められ、T-CATはその起点として誕生しました。
「当時の成田空港は、建設に至るまで様々な経緯がありました。鉄道アクセスが整備される前に、都心と空港をスムーズにつなぐ方法を確保する必要があったのです。」
こう語るのは、東京シティ・エアターミナル株式会社 代表取締役の内波 謙一様。成田空港への主要な移動手段として、T-CAT発のリムジンバスが空港アクセスの重要な役割を果たしてきました。

内波様
「私たちの世代にとって、海外出張といえばT-CATからバスに乗るのが当たり前でした。直通鉄道がなかった時代、T-CATはまさに都心の玄関口でしたね。
その後、成田空港までの鉄道網が整備され、T-CATの役割も変化していきました。しかし、単なる空港アクセスの拠点にとどまらず、新たな役割を模索し続けています。」
都心のバスターミナルとしての進化
T-CATのもう一つの特徴は、都内へのアクセス拠点としての機能です。設立当初は空港アクセスが中心だったが、近年では都心の交通拠点としても活用されています。
内波様
「現在、T-CATは空港利用者だけでなく、近隣住民の方々にもご利用いただいています。飲食店やコンビニ、家具・雑貨店など多様なテナントが入っており、地域に根付いた商業施設へと進化しています。
近年の東京は、都心回帰の流れが強まり、ファミリー層が増えています。特にT-CAT周辺には新しいマンションが建設され、日常的に施設を利用する人々が増えました。
例えば、小さなお子さんを連れたご家族がテナントとして入居している店舗に立ち寄る光景をよく見かけます。以前は空港利用者が中心でしたが、今では地域住民の生活に溶け込んだ施設になっています。」

50年を超えた施設の改修と挑戦
T-CATの建物は開業から約50年が経過し、施設の老朽化が課題となっていました。首都高速道路の構造物と一体化しており建て替えが難しいため、近年大規模なリニューアルが実施されました。

高本様
「特に力を入れたのが照明のLED化です。以前は蛍光灯を使用していましたが、電気代の値上がりや2027年に蛍光灯の製造・輸出入が禁止となる問題もあり、10年ほど前からLED照明への切り替えを検討してきました。また、蛍光灯では館内が暗く感じられるという声がありました。このたび、LED照明に交換したことで、明るく快適な空間へと生まれ変わりました。
LED化には省エネ効果も期待されていました。従来の蛍光灯や水銀灯に比べて消費電力が低く、さらに交換頻度も少なくなるため、維持管理の負担が大幅に軽減されました。
以前は蛍光灯の交換が頻繁に必要で、管理業者に依頼する手間もかかっていました。LED化によりその負担が大幅に削減されました。特に高所作業が必要な場所では、交換の手間が激減したことが大きなメリットでしたね。」
さらに、無線制御の照明システム「ライコネックス」も導入し、時間帯やテナントスペースに応じた光の調整が可能になりました。通勤客やバスターミナルの利用客が多い1階フロアでは、館内を通ることが体内時計を整えるきっかけとなるように、ライコネックスのスケジュール設定を採用。自然光に近い光の移ろいを再現しました。朝は明るく爽やかな雰囲気の光に、夕方以降は暖色系の落ち着いた光に自動調整することで、さらに快適に利用できるように工夫されています。
一方で、飲食店やコンビニ、100円ショップなどのテナントが立ち並ぶ2階フロアは、共有部の照明をライコネックスでコントロールしています。飲食店スペースは電球色の照明に調整してリラックスできる雰囲気に、小売店が並ぶ一角は明るく白色の光で活気を演出しています。
また、2024年には1階、2階の床の改修も実施され、照明と合わせてより快適な空間づくりにこだわっています。


高本様
「1階は石畳の道をイメージし石目調を基調とすることで、バスターミナルとしての落ち着いた雰囲気を演出ました。2階はゆったりと過ごしてもらえるよう木目調の床をメインにした温かみのある空間デザインにしました。どちらのフロアも通行する方々が快適に過ごせるように配慮しています。」

萩原様
「照明と床を改修したことで、館内の快適性が大幅に向上しました。テナントとして入居されている各店舗からも好評で、実際にテナント契約の営業面でも良い結果につながっています。」
未来への展望──次の50年に向けて
T-CATは、今後も都心のバスターミナルとしての役割を強化しながら、新たな価値を提供していくことを目指しています。スローガンとして掲げる「ユーザーフレンドリー」の姿勢でさまざまな面でのアップデートを続けています。
今堀様
「建物の構造上、建て直しや大規模な改築は難しいのですが、今後も5年10年単位で定期的にリニューアルを行い、快適に利用できる施設であり続けられるように善処していきます。例えば、今回張り替えた床も次の改装がしやすい構造を採用しています。」
また、今後はソフト面の充実も重要なテーマとなります。

高本様
「SNSやデジタルマーケティングを活用し、施設の認知度向上を図ります。地域との連携を強め、イベントやプロモーションを通じて、より多くの人にT-CATの魅力を発信していきたいです。」
さらに、海外からの観光客向けのサービス向上にも取り組んでいます。
高本様
「訪日外国人の増加に伴い、館内表示などの多言語対応を強化し、より幅広い層のお客さまが快適に利用できる環境を目指して整備しています。日本の玄関口としての役割を果たしつつ、地域に密着した施設としての価値も高めていきたいですね。」
そして、T-CATは「リスタート」というスローガンを掲げ、新たなフェーズへと踏み出しています。
内波様
「リニューアルを経て、新たなスタートを切るタイミングです。これまでの歴史を大切にしながら、次の50年を見据えた施設運営を続けていきます。T-CATをより魅力的な施設へと進化させていきます。」
変わらない「ユーザーフレンドリー」の姿勢
都市の変化とともに、T-CATもまた進化を続けています。空港アクセスの拠点としての役割を果たしながら、地域住民に愛される施設へと変貌を遂げてきました。そして、これからも次の50年を見据え、すべての人にとって快適で便利な空間であるように、さまざまな取り組みをし続けています。


■東京シティエアターミナル 様
[所在地]
東京都中央区日本橋箱崎町42番1号
[主な納入器具]
LiCONEX対応LED照明(LEDラインルクスLED/一体型ベースライト/LEDダウンライト)
床材
東京シティ・エアターミナル株式会社 様
[公式 HP] https://www.tcat-hakozaki.co.jp/
掲載内容、製品、サービスは、
下記までお問い合わせください。
022-253-7095
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