

スポーツ経験を新たな舞台へ! セカンドキャリア採用が拓く、地域と企業の未来
公開日:2025.05.13
最終更新日:2025.05.13
アスリートが競技で培ったチームワークやコミュニケーション力、PDCAを回すスキルやマインドは、ビジネスの現場でも大きな力を発揮すると注目され、「セカンドキャリア採用」が広がりつつあります。アイリスオーヤマでも、スポーツ振興による地域貢献を目的に2003年からボート部を設立し、スポーツ選手の雇用機会を提供するとともに、競技活動を支援してきました。さらに2025年3月からは、「地元プロスポーツ選手のセカンドキャリア支援」をスタート。アスリートを採用することで、組織にはどんなインパクトが生まれるのでしょうか。アスリート社員本人や、周囲の社員の声を聞きました。
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スポーツと仕事の「デュアルキャリア」
2025年3月25日、アイリスオーヤマは「地元プロスポーツ選手のセカンドキャリア支援」に関する記者会見を開催しました。本取り組みは、主に引退後の活動を支援する「パラレルキャリア支援プログラム※」と、競技と仕事を両立する「デュアルキャリア支援プログラム」の2本柱で構成されています。
※引退した選手に限らず、現役中の選手も対象です。
※引退した選手に限らず、現役中の選手も対象です。

「パラレルキャリア支援プログラム」では、主に現役を退いたアスリートに本業を持ちながら活躍する場を提供。今回は2名と業務委託契約を結びました。その一人、梁勇基(リャン・ヨンギ)さんはJリーグ・ベガルタ仙台で20年にわたりプレーした名選手。今回、アイリスオーヤマが運営する「IRIS.F.C」のヘッドコーチに就任しました。
「これまでの経験を還元しながら、IRIS.F.CのJFL(日本フットボールリーグ)昇格に向けて頑張っていきます。また、そのことが同時に、宮城県のサッカー界を盛り上げるきっかけになればと思っています」と力強く語りました。
「これまでの経験を還元しながら、IRIS.F.CのJFL(日本フットボールリーグ)昇格に向けて頑張っていきます。また、そのことが同時に、宮城県のサッカー界を盛り上げるきっかけになればと思っています」と力強く語りました。

一方の「デュアルキャリア支援プログラム」では、現役アスリートとして活動を続けながら、社員としてのキャリア形成も支援します。今回は、JリーグやJFLで活躍した3名を採用。業務に取り組みながら、IRIS.F.Cの選手としてもプレーを続けます。
その一人、土館賢人さんは「長くサッカーを続けながらも、引退後のセカンドキャリアに不安を抱えていました。今回、社会人として働くことで人として成長できることに加えて、サッカー選手としてもまだまだ成長できることにワクワクしています」と意気込みを語りました。
その一人、土館賢人さんは「長くサッカーを続けながらも、引退後のセカンドキャリアに不安を抱えていました。今回、社会人として働くことで人として成長できることに加えて、サッカー選手としてもまだまだ成長できることにワクワクしています」と意気込みを語りました。

会見に出席した大山晃弘社長も、「プロスポーツの世界で活躍された方は、普段はできないような経験を持っている方が多く、企業活動においても大いに活躍できると思います。会社としても、そのキャリア支援をしていきたい。職種は全般においてチャンスがあり、さまざまな部門で活躍してもらいたい」と期待を寄せました。
25年にわたりスポーツを支えてきたアイリスオーヤマ

宮城県を企業活動の拠点とするアイリスオーヤマは、25年以上にわたり地元スポーツを支援してきました。ベガルタ仙台や東北楽天ゴールデンイーグルスのスポンサーを務めるほか、プレミアリーグU-11チャンピオンシップでは、大会の開催支援や、被災地・女川町での震災学習プログラムの実施など、多面的なサポートを展開。さらに、オリンピック出場を目指すボート部の選手など、アスリートの競技と仕事の両立にも積極的に取り組んでいます。
クラブ活動が組織にもたらす好循環

2018年には、社員自らが選手として活動する会社公認サッカー部「IRIS.F.C」を設立。現在は宮城県1部リーグに所属し、JFL昇格を目指しています。ボート部やIRIS.F.Cの運営を通じて実感したのは、クラブ活動が社員の士気を高め、企業活動にも好循環をもたらすということでした。
そうした手応えから、「クラブ活動の活性化」と「アスリートのセカンドキャリア支援」を両立すべく、今回の取り組みが生まれました。本件に関する担当者はこう語ります。
「Jリーグなどで活躍してきた選手のキャリア支援に関わることで、地域に根ざした人材活用にもつながると考えています。競技を通して身につけた課題解決力、計画力、PDCAを回す力、そして“あきらめないマインド”は、どのビジネスにも通じるスキルです。その礎を高いレベルで備えているアスリートは、どの仕事においても一定の成果を発揮しうる人材であると期待しています」
そうした手応えから、「クラブ活動の活性化」と「アスリートのセカンドキャリア支援」を両立すべく、今回の取り組みが生まれました。本件に関する担当者はこう語ります。
「Jリーグなどで活躍してきた選手のキャリア支援に関わることで、地域に根ざした人材活用にもつながると考えています。競技を通して身につけた課題解決力、計画力、PDCAを回す力、そして“あきらめないマインド”は、どのビジネスにも通じるスキルです。その礎を高いレベルで備えているアスリートは、どの仕事においても一定の成果を発揮しうる人材であると期待しています」
競技活動で培ったスキルは、ビジネスにも転用しうる

IRIS.F.C提供
4月からIRIS.F.Cの選手として活動しながら、アイリスオーヤマの現業部門でのキャリアもスタートした土館賢人さん。戸惑いながらも、「競技活動が仕事に活かされている」と手ごたえを感じています。
「活きていると感じるのは主に二つ。ひとつはコミュニケーション力。仕事もサッカーと同じで、連携には対話が欠かせません。もうひとつは臨機応変に動く力。サッカーでは常に状況が変わり、瞬時に判断して動く力が求められます。仕事でもその感覚が役立っています」
「活きていると感じるのは主に二つ。ひとつはコミュニケーション力。仕事もサッカーと同じで、連携には対話が欠かせません。もうひとつは臨機応変に動く力。サッカーでは常に状況が変わり、瞬時に判断して動く力が求められます。仕事でもその感覚が役立っています」

同じく「デュアルキャリア支援プログラム」でR&D部門に配属された信太英駿さん、秋元佑太さんも、競技経験が仕事に活かせていると実感しています。
「サッカーは多様な仲間と一つの目標に向かうスポーツ。協調性や目標達成に向けて努力する力は、仕事でも必ず活きると思います」(信太さん)
「悩んだときに素直に相談する姿勢も、競技生活で自然と身についたもの。それが今、社会人としての自分を支えていると感じます」(秋元さん)
アスリートとして培ったスキルとマインドが、彼らのビジネスキャリアを力強く後押ししています。
「サッカーは多様な仲間と一つの目標に向かうスポーツ。協調性や目標達成に向けて努力する力は、仕事でも必ず活きると思います」(信太さん)
「悩んだときに素直に相談する姿勢も、競技生活で自然と身についたもの。それが今、社会人としての自分を支えていると感じます」(秋元さん)
アスリートとして培ったスキルとマインドが、彼らのビジネスキャリアを力強く後押ししています。
組織の多様性が、明日のアイデアの源泉になる

IRIS.F.C提供
また、アスリート社員を迎え入れた職場でも、そのスキルや姿勢に対してポジティブな声が上がっています。
「『人柄・謙虚・意欲』の意識が高く、前向きな姿勢で業務に取り組む姿から、周囲を巻き込む力を感じています。プロという厳しい環境でチームをまとめてきた経験から、“相手が何を求めているか”を理解する共感力、“自分が何をすべきか”を判断する力もあり、チームの活性化にも貢献しています」(土館さんの職場)
「普段からチーム力を意識していたからこそ、“全体最適”を考えて動く姿勢があります。いま困っている部署はどこか、自分がどうサポートに入れるかを考えて行動しており、こちらも刺激を受けています」(秋元さんの職場)
「未経験の業務にもメモを取りながら積極的に質問し、素早く吸収しようとする姿勢は、職場に良い雰囲気をもたらしています。特に、周囲を見ながら“今、自分にできること”を考え、すぐに行動に移す力は、チームスポーツで培われたスキルそのもの。助けられている部分も大きいです」(信太さんの職場)
こうしたアスリートの経験は、普通のビジネスパーソンでは得がたい“希少なバックボーン”といえるでしょう。担当者もこう語ります。
「多様な価値観やバックボーンを持つ人材が集まることは、ダイバーシティ&インクルージョンの観点でも大きな意味があります。異なる視点からの意見が交わることで、新たなアイデアやイノベーションが生まれる。それは結果として、組織の成長につながるのです」
家電からLED、ペット用品、食品、ロボットまで。幅広い分野でアイデアを生み出してきたアイリスオーヤマ。その背景には、多様な人材が垣根を越えて活躍する風土があります。アスリート人材も、そうした風土に新たな価値を加える存在として、大きな可能性を秘めているのです。スポーツで多くの感動を与えてきた彼らが、これからどのようなインパクトを組織にもたらすのか。今後の活躍に注目が集まります。
「『人柄・謙虚・意欲』の意識が高く、前向きな姿勢で業務に取り組む姿から、周囲を巻き込む力を感じています。プロという厳しい環境でチームをまとめてきた経験から、“相手が何を求めているか”を理解する共感力、“自分が何をすべきか”を判断する力もあり、チームの活性化にも貢献しています」(土館さんの職場)
「普段からチーム力を意識していたからこそ、“全体最適”を考えて動く姿勢があります。いま困っている部署はどこか、自分がどうサポートに入れるかを考えて行動しており、こちらも刺激を受けています」(秋元さんの職場)
「未経験の業務にもメモを取りながら積極的に質問し、素早く吸収しようとする姿勢は、職場に良い雰囲気をもたらしています。特に、周囲を見ながら“今、自分にできること”を考え、すぐに行動に移す力は、チームスポーツで培われたスキルそのもの。助けられている部分も大きいです」(信太さんの職場)
こうしたアスリートの経験は、普通のビジネスパーソンでは得がたい“希少なバックボーン”といえるでしょう。担当者もこう語ります。
「多様な価値観やバックボーンを持つ人材が集まることは、ダイバーシティ&インクルージョンの観点でも大きな意味があります。異なる視点からの意見が交わることで、新たなアイデアやイノベーションが生まれる。それは結果として、組織の成長につながるのです」
家電からLED、ペット用品、食品、ロボットまで。幅広い分野でアイデアを生み出してきたアイリスオーヤマ。その背景には、多様な人材が垣根を越えて活躍する風土があります。アスリート人材も、そうした風土に新たな価値を加える存在として、大きな可能性を秘めているのです。スポーツで多くの感動を与えてきた彼らが、これからどのようなインパクトを組織にもたらすのか。今後の活躍に注目が集まります。