PFOSとは?PFAS・PFOAとの違いや人体への影響、安全なフライパンの見分け方を解説

PFOSとは?PFAS・PFOAとの違いや人体への影響、安全なフライパンの見分け方を解説

フライパンを選ぶときに目にする「PFOS」や「PFOA」、「PFAS」という言葉。これらは、かつて撥水性や耐熱性を高めるコーティングに使われていましたが、健康への影響が懸念され、現在では規制対象となっています。この記事では、それぞれの違いや人体への影響、安全なフライパンの選び方を解説します。さらに、安心して使えるPFOSフリーのフライパンも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

PFOSとは?PFAS・PFOAとの違いや人体への影響、安全なフライパンの見分け方を解説

+1 Day 編集部

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PFOSとは?他の用語との違い

緑の背景に置かれた、地球儀とクリップと「PFAS」と書かれたノート
PFOSは、「ピーフォス」と呼ばれる有機フッ素化合物の一種です。他の関連用語である「PFAS」「PFOA」「PTFE」とともに語られることが多い物質です。それぞれの違いや各物質の特徴を分かりやすく紹介します。

PFOSとは

PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)とは、1940年代にアメリカで開発された有機フッ素化合物の一種です。油や水をよく弾き、さらに熱や薬品にも高い耐性を持つ特性があります。そのため、界面活性剤として撥水剤や泡消火薬剤などに使用されてきました。

製品の性能向上を目的に、撥水性・耐油性・耐汚れ性を高めるため、多くの製品に利用されていましたが、環境や健康へのリスクが明らかになったことから、現在は使用が制限されています。

PFOSとPFASとの違い

PFASとは、PFOSを含む10,000種類を超える有機フッ素化合物の総称です。正式名称は「ペルフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル化合物」です。PFOSだけでなく、後述するPFOAやPTFEも含まれています。近年は、PFOSに対する規制が強化されていますが、PFAS全体に関しても使用制限が進んでいます。

PFOSとPFOAとの違い

PFOA(ペルフルオロオクタン酸)は、PFOSを含むPFASの一種です。PFOSと同様に界面活性剤の性質を持ち、フッ素樹脂塗料や撥水加工された包装紙などに使用されてきました。

しかし、2000年代に入ってから発がん性や健康への影響が懸念されるようになり、2015年には主要メーカーが自主的に使用を中止しました。

PFOSとPTFEとの違い

PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)は、フッ素樹脂加工の一種で、「テフロン」という名称で広く知られています。PFOSとは異なり、PFASには分類されませんが、フッ素化合物の一つです。

PTFEは、滑りやすく摩擦が少ないという特性を持ち、さらに耐熱性・耐薬品性・耐候性・電気特性にも優れている物質です。そのため、フライパンのコーティングをはじめ、さまざまな用途で使用されています。

PTFE自体は無害とされていますが、テフロン加工のフライパンを空焚きして高温になると、有害なガスが発生する可能性があり、めまいや頭痛などの症状を引き起こす恐れがあるといわれています。

PFOSが人体に及ぼす影響

水道水をコップに入れる手元
PFOSなどの有機フッ素化合物が人体に悪影響を及ぼす可能性について耳にしたり、調べたりしたことがある方もいるかもしれません。PFOSが人体に及ぼす影響について紹介します。

PFOSが体に取り込まれた場合

PFOSが体内に取り込まれた場合、以下のような健康への影響が報告されています。

・コレステロール値の上昇
・発がんリスクの増加や免疫系への影響
・肝機能の低下や仔動物の体重減少(動物実験による報告)

ただし、現時点では具体的にどの程度の量を摂取すると症状が現れるのかは明確になっていません。なお、個人の健康被害が発生したという事例も確認されていません。

PFOSの問題視されていること

PFOSは自然分解が困難で蓄積しやすいため、「永遠に残る化学物質」とも呼ばれています。 一度生産されたPFOSは、完全になくなるまでに長い年月がかかります。さらに、自然環境中でも分解されにくく、食物連鎖などを通じて人間の体内にも取り込まれる可能性があります。

しかし、体内に取り込まれたPFOSは、時間の経過とともに排泄物とともに排出されます。 体に取り込まれた量が半減する期間(生体半減期)は、PFOSで平均5.7年、PFOAで平均3.2年と報告されています。

PFOSの規制状況

消火器を点検する手元
PFOSは2000年代に入ってから、アメリカで段階的に生産が廃止されました。その後、オーストラリアでは2004年に消火用泡の使用が禁止されました。 日本では、2010年にPFOSの製造・輸入・使用が禁止され、さらに2021年にはPFOAも規制の対象となっています。

規制前に製造された既存のPFOSやPFOAを含む泡消火薬剤については、国の規定により漏出を防ぐ対策を講じ、万が一漏れた場合は回収することが義務付けられています。

安全なフライパンの見分け方

黄色の壁にたてかけられたフライパンと鍋
現在、PFOSは製品に使用されていませんが、どのフライパンが安全に使えるのか分からないと感じる方もいるかもしれません。そこで、安全なフライパンの見分け方を紹介します。

PFOSやPFOAが使用されてないかを確認する

メーカーの公式サイトを確認したり、直接問い合わせたりすることで、PFOSやPFOAが使用されていないことが確認できます。現在ではこれらの物質の使用が禁止されていますが、古いモデルや長期間使用しているもの、中古品などには含まれている可能性があるため注意が必要です。もし不安がある場合は、買い替えを検討してみても良いかもしれません。

安全な素材かを確認する

無加工の鉄やステンレス製のフライパンは、有害物質を発生させる心配がないため、安全性が高いと考えられます。他にも、セラミックコーティングのフライパンは、食材がこびりつきにくく、料理がしやすいなどの特徴があります。ただし、セラミックコートは剥がれやすい傾向があるため、摩擦に強い製品を選ぶのがおすすめです。フライパンの耐久性や使用感を考慮し、自分に合ったものを選んでみてください。

アイリスオーヤマのPFOSフリーのフライパン

アイリスオーヤマでは、PFOSを使用していない塗料を使った安全なフライパンを販売しています。買い替えを検討されている方におすすめです。

ダイヤモンドコートフライパン26cm/VDI-F26

アイリスオーヤマのフライパンで目玉焼きを皿に移す手元
耐摩耗性を向上させるために、人工ダイヤモンドを微細な粒子状に加工し、フッ素樹脂コーティングに配合した「ダイヤモンドコーティング」を採用したフライパンセットです。 PFOSやPFOAを使用していない塗料を使っているので、安全なフライパンです。

調理中は食材がこびりつきにくく、焦げ付きにくいのが特徴で、ガス火・IHの両方に対応。 優れた熱伝導性により、フライパン全体が均一に温まり、調理がスムーズに行えます。

ナチュかるフライパン26cm/NTL-F26MO

アイリスオーヤマのフライパン
ナチュかるフライパンは、内側に上品なマーブルコートが施されており、見た目の美しさだけでなく、汚れがこびりつきにくく、洗いやすいのが特徴です。 PFOSやPFOAを一切使用していないため、安全に使用できます。

軽量設計により、調理中も腕や手首への負担が少なく、快適に扱えるのも魅力です。デザインにもこだわっており、インテリアに馴染みやすいのも嬉しいポイント。さらに IH・ガス火の両方に対応しています。

セラミックカラーパン/CC-5S

アイリスオーヤマのフライパンセット
摩擦に強く、汚れ落ちに優れたセラミックコーティングを採用したフライパンと鍋の5点セット。取り外し可能なハンドルが付いており、ハンドル以外は丸洗いできるため、お手入れも簡単です。カラーバリエーションは、温かみのあるディープアイボリーとグレージュの2色。 シンプルで洗練されたデザインで、ハンドルを外せばそのまま食卓に並べられる便利な仕様になっています。

5点セットに加え、10点セットや13点セットもラインナップされており、用途に応じて選べます。 IH・ガス火の両方に対応しているため、さまざまなキッチン環境で活躍するのも魅力です。

ダイヤモンドコートパン/PDCI-T3S

アイリスオーヤマのフライパンで作った料理
耐摩耗性を高めるために、人工ダイヤモンドを微細な粒子状に加工し、フッ素樹脂コーティングに配合した「ダイヤモンドコーティング」を採用したフライパンセットです。50万回の摩耗試験をクリアしており、丈夫で長く快適に使えるのが魅力です。

6点・10点・13点のセットも展開されており、用途に応じて選べます。 IH・ガス火の両方に対応し、食材がこびりつきにくく、焦げ付きにくいため、ストレスなく料理を楽しめます。

PFOSの危険性を知り安全なフライパンを選ぼう!

IHを使って料理している手元
PFOSは、PFASに分類される有機フッ素化合物の一種で、かつて工業製品や撥水コーティング剤などに広く使用されていました。しかし、人体への影響が懸念され、現在では使用が禁止されています。フライパンを選ぶ際には、PFOSフリーやPFOAフリーの製品を選ぶと安心です。安全な調理器具で、健康的な食生活を楽しみましょう。
※こちらに掲載されている商品情報は掲載日時点での情報です。
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