空気清浄機にサーキュレーターがつくとなにが違う？アイリスオーヤマの最新空気清浄機を徹底解説！

公開日：2022.12.07

最終更新日：2023.02.07

花粉やハウスダストに、ペットやタバコ臭など、アレルギーやニオイ対策として空気清浄機を導入している家庭も多いのではないでしょうか。清浄力はもちろん、大きさや形、加湿機能が付属されているものなど、さまざまなメーカーからたくさんの商品が出ているため、購入する際に迷ってしまう方も多いでしょう。今回は、アイリスオーヤマから空気清浄機が新発売したとのことで、家電取材のスペシャリストが検証した結果をお伝えします。

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IT・家電ジャーナリスト　安蔵靖志

ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ～ンの家電ソムリエ」に出演中。その他ラジオ番組の家電製品リサーチや構成などにも携わっている。

【サーキュレーター付加湿空気清浄　KCHA-A55】の魅力とは？

室内の空気をキレイにしてくれる空気清浄機。花粉やハウスダストが集じんできるため、空気がこもりやすい冬場から花粉の飛散が増える春は大活躍します。

そもそも空気清浄機は、2020年度の国内出荷台数が前年比100.7％増（日本電機工業会「2022年度電気機器の見通し」より）になるなど、空気清浄機は新型コロナウイルス禍で急激に需要が拡大した家電のひとつです。

とはいえ、なかなか効果が目に見えないことと大きくて場所を取るというイメージがあるため、個人的には部屋に置くのを躊躇してしまいがちな家電のひとつではないかと思っています。

そんな中、加湿空気清浄機とサーキュレーターが一体化した、アイリスオーヤマ初の製品が登場しました。サーキュレーターと加湿器を組み合わせたサーキュレーター加湿器や加湿空気清浄機などの2in1はありましたが、それをすべて兼ね備えたモデルは今回が初となります。

実際に使ってみた「KCHA-A55」の魅力は以下の3つです。

・サーキュレーターがついていることにより、素早く強力に脱臭や集じんができる
・省スペース設置ができて邪魔にならない
・季節ごとに気になる花粉や菌の集じん、乾燥対策にも1年を通して活躍してくれる

それでは、それぞれの魅力について解説していきます。

サーキュレーター一体型の利点とは？

KCHA-A55は上部にサーキュレーターが付属しているのが大きな特徴のひとつです。
サーキュレーターというのは室内の空気を循環させるために用いられるファンのことで、直進性の高い風を送ることができるのが、一般的な扇風機との大きな違いです。

サーキュレーターと空気清浄機を一体化するというのは、すごく価値のある組み合わせだと思います。一般的な空気清浄機は室内の空気を吸い込んで清浄化された空気を出す仕組みになっているものの、室内の空気全体を循環させる機能は弱いためです。

近くにあるホコリや花粉、菌などを吸い込んでフィルターに吸着させることはできるものの、部屋の対角にある遠い場所のホコリを積極的に吸い込むことはできません。掃除機がノズルのすぐ前にあるゴミやホコリしか吸えないのと同様です。しかし、サーキュレーターを使って風を部屋の反対側まで飛ばして室内の空気全体を循環させれば、遠くにあるホコリや花粉などを引き寄せて吸い込むことができます。

サーキュレーターがついていることにより、素早く集じん・脱臭ができる

サーキュレーターがついていることにより、部屋の隅々までムラなく素早く集じんすることができるので、広いお部屋でも安心して使用できます。特に小さいお子さんがいてハウスダストが気になる方、アレルギーや花粉症の方にもおすすめです。

さらに、脱臭面でも効果的。実はタバコのニオイに含まれる複数の物質のうち1つは、ほこりなどの小さな粒子にくっついて鼻に入り、タバコのニオイを感じる原因になるといわれています。そのため、集じんすることによっても家の気になるニオイが抑えられるのです。

タバコのニオイ以外にも、意外とこもりがちな料理臭やペットのニオイ、ゴミのニオイなども気になったタイミングで素早く脱臭してくれます。スピーディーに脱臭することで部屋にニオイが染み付くのを防いでくれるのもポイントです。

アイリスオーヤマの検証によると、サーキュレーターの直進的な送風と左右の自動首振り機能で空気をかくはんさせることで、サーキュレーター非稼働の場合と比較して集じんスピードが約2倍、集じん量は約1.6倍、脱臭スピードは最大1.5倍にアップしたとのことです。

省スペースに設置できて邪魔にならない

空気清浄機には「適用床面積」という設置する部屋の床面積の目安がありますが、
「14畳のリビングルームに設置する場合は適用床面積14畳で十分」というわけではありません。

これは30分で清浄できる部屋の広さを示したものなので、適用床面積28畳なら単純計算で2倍のスピード、つまり15分で14畳の部屋を清浄できることを示しています。
つまり、6畳や8畳といった広さのベッドルームでも、できるだけ適用床面積が大きい方が素早く室内の空気をきれいにできるというわけです。

一方で、空気清浄機は一般的に適用床面積が大きいほど本体も大きくなり、設置面積も大きくなる傾向にあります。広いリビングルームならまだしも、狭いベッドルームに設置する場合はできるだけコンパクトに設置したいと考える人も多いはずです。

その点、KCHA-A55は幅271×奥行き282mmと、どちらもA4コピー用紙の長辺（297mm）よりも少し狭いくらいに収まります。高さは880mmあるために存在感はありますが、タワー型のフォルムは部屋の隅だけでなくさまざまな場所に置きやすいのが魅力。空気清浄機としての適用床面積は25畳なので、広めのリビングルームに置いても問題ありません。

サーキュレーターは30°、60°、90°の左右自動首振りが可能なだけでなく、上方向に30°、60°、90°まで手動で設定できます。

様々な角度に調整できる

30度にしたとき

60度にしたとき

90度にしたとき

また、首振り機能をオフにすると、サーキュレーター部分が正面の位置に戻るようになっています。こういう機能は地味ながらいいところですね。

また、個人的にはちょっとした部屋干しに使うのもおすすめです。ターボモードと首振り機能、上下の角度調整機能を搭載しているので、ちょっとした衣類の部屋干しには十分に役立つと感じました。部屋干しに使用する際は加湿機能をオフにすることを忘れずに。

冬場は加湿器としても役立つ一台

この商品の魅力は加湿機能を搭載していること。KCHA-A55はターボモードで500mL/h（1時間あたり500mL）の加湿量を実現しており、加湿空気清浄機としての適用床面積は木造住宅和室で8.5畳、プレハブ住宅洋室で14畳です。

加湿量は空気清浄のモード（風量）によって異なり、ターボモードでは500mL/h、標準モードでは320mL/h、静音モードでは265mL/hです。「空清」ボタンを押すことで静音、標準、ターボ、自動モードを切り替えられますが、加湿機能の自動モードはありません。本体上部には現在の湿度目安がインジケーターで表示されるようになっているので、湿度が低いと思ったら空清モードを変更するといった使い方になります。

本体右側面のカバーを開くと加湿器の水タンクが現れる

加湿機能は「気化式」でお部屋の湿度を保つ

加湿機能は水で濡らしたフィルターに風を通して気化させる「気化式」を採用しているため、スチーム式などと違って必要以上に加湿されてしまうことはないのでひと安心。

基本的に加湿は乾燥する冬の季節に使いたい機能ですが、夏も冬もエアコンのサポートとして使うのがおすすめです。前述の通り、サーキュレーターは直進性の高い風を送るため、部屋の隅々まで冷暖房の空気を送ることができます。

空気清浄は当然！乾燥対策もできて1年中大活躍

「サーキュレーター付加湿空気清浄　KCHA-A55」は、ハウスダストをしっかり集めたり、外から持ち込んだ花粉を素早く集じんし、ペットのフードやトイレなどの臭いを抑える脱臭機能もあります。加湿やサーキュレーター機能があることで、空気をキレイにしてくれるだけでなく、適度な湿度を保つなど、お部屋を快適な空間にしてくれます。

さまざまな使い方ができる「サーキュレーター付加湿空気清浄　KCHA-A55」。ぜひ一度、そのコンパクトさや機能を家電量販店で試してみてはいかがでしょうか。

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