空気の状態をモニター表示 「見えない汚れ」の不安を解消
家電開発部 山本祐介
ハウスダストやPM2.5等、空気を汚す物質の多くは非常に小さく、人間の目には見えないものです。そのため、空気清浄機を使っていても、「本当に空気がキレイになっているのかな」と不安を感じることがしばしばありました。従来の空気清浄機には、空気が汚れているかどうかを示すランプがついているものはありましたが、“どのくらい汚れているのか”や“どの程度きれいになったのか”がわかるものがありませんでした。そこで、PM2.5やハウスダストの濃度やその変化を検知し、モニターで分かりやすく表示することができれば不安が解消できると考え、開発に乗り出しました。
コンセプトを実現するための最大のポイントはPM2.5やハウスダストの量を検知するセンサーの性能を最大限に引き出すことでした。目指したのは、環境省の大気汚染物質広域監視システム「そらまめ君」と同等の検知精度。「そらまめ君」に搭載されているセンサーは高性能ですが、非常に高価で大型なため家庭用の空気清浄機には適していません。PM2.5ウォッチャーに搭載できる小型のセンサーを用いて、高度なレベルの検知をする必要がありました。そこで、そらまめ君のセンサーとPM2.5ウォッチャーが示す数値を様々な場所で何度も照らし合わせながら、どこでも差異のない数値が出るようにプログラムを修正するという方法で、精度を高めていきました。値の信頼性には、開発過程だけでなく製造工程でも非常にこだわっています。同じ型のセンサーでも、個体によって特性に微妙なばらつきがあります。そのため、製造ライン内で使用する1つ1つのセンサーの特性を検証し、それぞれに応じて本体プログラムを最適化するシステムを整えることで、より高い信頼性を持たせています。
この空気の汚れを測定する機能を活かし、周囲の環境の変化を素早く把握し運転モードを切り替える「自動運転モード」を搭載することで、強力でありながらより省電力で空気をキレイにすることができるようにしました。 また、PM2.5ウォッチャーにはクラス最高水準のスピードで集じんができる「ターボモード」を搭載しました。ターボモード運転時は静音性よりも集じん性を優先しており、多少大きな運転音がしますが、空気の汚れが著しいときに一気にキレイにすることができます。お客様の使用シーンや本体のサイズ、お求めになりやすい価格などを多面的に検討し、バランスの取れた製品にしました。
自動パワー調整